前回の記事(老化の原因・糖化とは?酸化との違いやAGEが多い危険な食べ物~)で糖化やAGEが多い食べ物の危険性を紹介しましたが、このような食べ物(お肉やパンケーキ、フライドポテト、たこ焼きetc)は美味しいですし、止めることは簡単にできないと思います。
実際に記事を読んだ人の中にはAGEの多い食べ物は老化を促進し、美容や健康には悪いことはわかったものの、
「絶対に止めることはできない!」
「食べるのを我慢するくらいならば、好きな物食べて早死にしたほうがマシ!」
などと思ったりしたのではないでしょうか。
そのような人にはぜひ、糖化やAGEを減らす効果がある栄養成分や食べ物を理解していただき、AGEが多い食べ物と一緒に摂ってもらうことをおすすめします。
ではどのような栄養成分や食べ物がおすすめなのでしょうか?
糖化を抑制しAGEの発生を抑える栄養成分
ビタミンB群(特にB1 とB6)
糖化を抑制し、AGEの発生を抑える成分がビタミンB群です。その中でも「ビタミンB1」と「ビタミンB6」が特におすすめです。
ビタミンB1は疲れや肩こりに効くビタミンとしても知られています。多く含まれている食べ物は豚肉、うなぎ、たらこ、ナッツ類などがあります。
ビタミンB6は美肌効果もある成分ですが、ビタミンB1以上にAGEができるのを強力に防ぎます。多く含まれている食べ物は牛や鶏のレバー、牡蠣(カキ)、さんま、あさり、にしんなどがあります。
ポリフェノール
ビタミンB群よりさらにおすすめなのがポリフェノールです。糖化の抑制だけでなく、酸化を抑制する(抗酸化)働きもあります。ポリフェノールとは、植物が作る色素やアクなどの成分の総称で、数千種類あります。
代表的なポリフェノールは
- 赤ワイン:プロアントシアニジンやレスベラトロール
- 緑茶:カテキン
- ブルーベリー:アントシアニン
- チョコレート:カカオポリフェノール
- ゴマ:ゴマグリナン
- トマト:リコピン
- リンゴ:リンゴポリフェノール
など挙げたらキリがありませんが、強力な「抗酸化作用」であるとともに、「抗糖化作用」でもあるのでぜひ意識して摂取したい成分です。
その他の注目の栄養成分は
α‐リポ酸
ヒトの細胞の一つひとつに存在していますが、加齢とともに体内で作られる量が減っていく成分です。α‐リポ酸は抗酸化作用が強くAGEをたまりにくくしてくれます。
ほうれん草やブロッコリー、にんじん、トマトなどの緑黄色野菜に多く含まれています。
カルノシン
筋肉や脳に多く存在している成分です。渡り鳥が長距離を飛び続けたり、マグロがものすごいスピードで泳ぎ回れるのも、カルノシンのパワーのおかげと言われています。
カルノシンは活性酸素を抑えて疲労感を改善してくれるだけでなく、強力な抗AGE作用もあり、糖化したタンパク質が体内に蓄積する前に分解、排泄されるように働きかけてくれます。また肌のシミやシワを防ぐ(美肌効果)のにとても有効です。
鶏肉やカツオ、マグロ、うなぎなどに多く含まれています。
糖化・酸化を抑制するおすすめの食べ物
老化の原因となる糖化や酸化を防ぐおすすめの食べ物を紹介します。
赤ワイン
赤ワインには
- プロアントシアニジン
- レスベラトロール
- ケルセチン
- カテキン
などのポリフェノールが含まれていて、糖化も酸化も抑えてくれます。ただし、飲み過ぎはダメですよ。
緑茶や紅茶、烏龍茶などのお茶
緑茶や烏龍茶などに含まれるポリフェノールの一種であるカテキンはAGEができるのを90%以上抑える効果が確認されています。紅茶には紅茶ポリフェノール、そしてその他のそれぞれのお茶にもポリフェノールが含まれていて、抗糖化・抗酸化に最適な飲み物です。
ごま(特に黒ごま)
ごまには抗酸化成分のゴマグリナンが含まれています。特にごまの中でも「黒ごま」がおすすめなのですが、それは抗酸化成分のアントシアニジンが含まれているので、ゴマグリナンと合わせて相乗効果が期待できます。
ハーブ、スパイスなどの香辛料
香辛料は独特の香りや辛味を持ち、
- 茎・葉・花を使う場合を「ハーブ」
- 茎・葉・花以外の場合は「スパイス」
と呼びます。
香辛料の独特の風味はポリフェノールによるものが多いため、ハーブとスパイスは全般的に抗酸化物質やミネラルがたっぷり含まれるアンチエイジング食材です。
なかでも糖化を強力に防ぐのが
- シナモン
- クミン
- 黒コショウ
- バジル
これらの4つの香辛料です。ぜひいろいろな料理に香辛料を使用してみましょう。
抗酸化・抗糖化おすすめの野菜
ショウガ
ショウガは
- 生で食べるとジンゲロール
- 加熱するとショウガオールやジンゲロン
といった成分に抗酸化作用の働きがあります。さらにショウガの抗糖化作用は食品ではトップクラスです。ぜひ豚肉の生姜焼きなどお肉を食べるときにショウガを使用してみてください。
にんにく
アリシンという成分に強い抗酸化作用があります。また抗効果作用があるビタミンB1も含みます。肉を加熱するとAGEが大量に発生しますが、ショウガやニンニク、香辛料をさまざまな料理で一緒に使うことで糖化がさらに抑制できます。
ほうれん草
抗酸化成分のビタミンAやビタミンCを含みますが、注目はα‐リポ酸です。α‐リポ酸は抗糖化作用が強く、AGEが体のあちこちに蓄積するのを防ぐ働きがあります。
食べる時はさっとゆでて、油で和える調理方がおすすめです。
ブロッコリー・ブロッコリースプラウト
注目の成分はスルフォラファンです。高い抗酸化作用や抗糖化作用だけでなく、AGEの生成を防いでくれます。また、ほうれん草と同様に糖化を防ぐのにおすすめです。
トマト
強力な抗酸化作用のリコピンと抗糖化作用のα‐リポ酸も含まれています。
キノコ類
抗糖化作用のビタミンB群がたっぷり含まれています。
リンゴ
リンゴにはリンゴポリフェノールという強力な抗酸化成分が含まれています。ただリンゴは皮のほうに多くの種類のポリフェノールが含まれているので皮ごと食べることをおすすめします。
そして糖化を抑制する働きも果物の中だけでなく、食べ物中でもトップクラスです。
大豆食品(豆腐、きな粉、納豆など)
大豆にはポリフェノールの一種で強力な抗酸化成分の大豆イソフラボンや抗糖化作用のビタミンB1が豊富に含まれています。ぜひ毎日摂取するように心掛けましょぅ。
レモン・酢・ビネガー
これらに共通する成分はクエン酸です。疲れを取る働きがあり、抗酸化作用だけでなく、体内でも糖代謝を促します。
揚げ物にレモンや酢をかけるだけで、料理に含まれるAGEの量が半分近くに減ったという研究報告もあります。揚げ物や炒め物が多い中華料理に酢をかけることは、とても理にかなっていたのですね。
とり肉
とり肉にはAGEができるのを防ぐ、ビタミンB6が多く含まれています。またカルノシンという成分も抗糖化作用があることがわかっていてAGEの蓄積を防いでくれます。
ただし、唐揚げや炒め物にすると大量のAGEが発生します。「蒸し料理」や「スープの具材」として使用するのがおすすめです。
豚肉
豚肉といえばビタミンB1 が豊富で、肉類だけでなく全ての食品の中でもトップクラスの含有量です。疲労回復効果のあるビタミンB1 は糖化を抑えて、体内でAGEが発生するのを防ぐ働きがあります。
こちらも「とり肉」と同じで、トンカツなどの揚げ物は控えるようにしましょう。豚しゃぶやトン汁などAGEの発生が少ない食べ方がおすすめです。焼いて食べる場合は抗酸化、抗糖化作用のあるショウガを使用しましょう。」
マグロ・カツオ
糖化によるAGEの害がから体を守るビタミンB6が豊富に含まれています。また抗糖化作用のあるカルノシンも含まれています。食べるならば生(刺身や寿司)で食べるようにしましょう。
サケ(鮭)
AGEがたまるのを防ぐビタミンB群とアスタキサンチンという強力な抗酸化成分が肌の老化を守ってくれます。
わかめ・昆布などの海藻類
ビタミンやミネラルなどの栄養素がたっぷり入っていて、酸化や糖化を防ぎ、新陳代謝を活発にします。
カキ(牡蠣):抗糖化作用があるビタミンB群が豊富で、抗酸化作用を持つビタミンA・C・Eもすべて含まれています。
以上で抗糖化・抗酸化作用両方の効果を持つ食べものを紹介しましたが、糖化によるAGEの発生を阻止する確率を測定した海外の研究では
- ゴマ
- にんにく
- りんご
- 緑茶
- 香辛料(シナモン、クミン、黒コショウ、バジル)
などが特に強い抗糖化作用があることがわかっています。
AGEを抑える食材「ブロッコリースプラウト」と「ノニ」
スーパーフードとしても有名なブロッコリースプラウトにはポリフェノールの一種であるスルフォラファンという成分が豊富に含まれています。
このスルフォラファンには強力な抗酸化作用や解毒作用があると言われています。最近では「AGE」化を抑える作用があることがわかりました。
また、糖化を防ぐ成分のα‐リポ酸も含まれています。今ではスーパーでも簡単に手に入りますし、価格も安いので、ぜひAGEが多い食べ物と一緒に摂るようにしましょう。
まとめ
このように色々な食べ物に抗糖化作用があることがわかりました。ぜひこれからは抗酸化作用だけでなく、抗糖化作用にも意識をしてみましょう。
AGEの多い食べ物は今後一切食べない、または通常よりも量を半分以下にするというよりも、抗糖化作用のある食べ物と一緒に摂るようにして、できるだけAGEの発生を防ぎましょう!
