スーパーフードの中には新しく日本に広まった食べ物もありますが、ゴジベリーは新しい食べ物ではなく、日本では「クコの実」と言われ昔からなじみのある食べ物です。
杏仁豆腐の上に乗っている赤い実がゴジベリーなので、食べたことがある人は多いのではないでしょうか。この古くから知られているクコの実が
なぜ注目されるようになったのかというと、スーパーモデルなどの有名人が健康や美容のためにゴジベリーを食べていることが広まったからです。現在、若い人にはクコの実よりもゴジベリーとして認知されています。
このゴジベリー(クコの実)はなぜスーパーフードと呼ばれるのでしょうか?
ゴジベリー(クコの実)とは?その特徴について
ゴジベリーが採れるクコという植物は東アジアが原産と言われるナス科クコ属の植物です。
日本でも山野の水辺などに自生し、夏から秋にかけて薄紫色の花を咲かせて、秋になると赤い楕円形の実をつけます。中国では3,000年以上も前から薬効の高さで広まり、日本には平安時代には伝わっていました。
世界三大美女のあの楊貴妃も美容や不老長寿の薬として普段からゴジベリーを食べていたようです。日本では徳川家康がクコの愛用者だったと言われています。
また「クコの実」を漢方では「枸杞子(くこし)」と呼び滋養強壮効果があります。
その昔、中国では「旅に出る夫にはクコの実を食べさせるな」と言われていました。それは「精力がついて旅先で浮気をさせないため」という理由があるようです。
このような強力な滋養強壮効果がゴジベリーにはあるので旦那さんや彼氏に食べさせる時は注意が必要です(笑)。
そしてクコの実(ゴジベリー)は近年では欧米で美肌効果などが注目され、「地球上で最も豊富な栄養素を含むフルーツのひとつ」として人気のスーパーフードとなりました。
ゴジベリー(クコの実)の注目の栄養成分
ゴジベリーの小さい実の中には100種類ほどの栄養成分が含まれていますが、その中でも注目されている成分を紹介します。
【種類が豊富な抗酸化成分】
ゴジベリーには抗酸化成分が豊富に含まれています。
- カロテノイドの一種であるβカロチンやゼアキサンチン、ルテイン
- ポリフェノールの一種であるリコピンやルチン、タンニン、ヘスペリジン
- ビタミンC
【ビタミン・ミネラル!注目はビタミンC】
ゴジベリーにはレモンの8倍も多くビタミンCが含まれています。またビタミンB1やB2も豊富に含まれていて、ミネラルの中では特にカルシウムと鉄が豊富です。
【必須アミノ酸】
タンパク質も豊富ですが、そのタンパク質を構成しているのは20種類のアミノ酸です。そのうち体内で合成することができないアミノ酸を「必須アミノ酸」と言って全部で9種類ありますが、ゴジベリーには9種類全て含まれています。
イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン
これらの必須アミノ酸の中で最近注目されているのは
- イソロイシン
- ロイシン
- バリン
といった3つの成分です。これらは「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」と呼ばれており運動中のエネルギー源となります。
さらに疲労回復の働きもあり、運動前後に摂取すると有効です。現在はBCAA入りのサプリメントやドリンクがアスリートの間でも人気が高まっています。
その他にも必須アミノ酸は精神を安定させるために欠かせない成分です。
【非必須アミノ酸】
「非必須」というのは「必要がない」ということではなく「体内で作ることができる」成分という意味ですが、それだけでは足りないため食べ物からも摂る必要があります。
ゴジベリーに豊富に含まれている非必須アミノ酸は
- アルギニン:筋肉の増強、免疫機能の強化、生殖機能の改善
- グルタミン酸:うま味成分。集中力ややる気がアップ
- アスパラギン酸:疲労回復、アンモニア解毒、スキンケア
これらの効果が期待されています。
その他には、これもアミノ酸の一種ですがベタインも美容や健康に効果があり、植物ステロールの一種のβ-シトステロール、そして腸内環境を改善してくれる食物繊維も多く含まれています。
ゴジベリーに期待される効果や効能について
アンチエイジング
中国の古い文献に「ゴジベリーを食べ続けると、老化を遅らせて長寿になる」と記されているほど、ゴジベリーには老化を防ぐ効果があります。
これはβカロテンやゼアキサンチン、リコピン、ビタミンCなどの抗酸化成分が豊富に含まれているからです。
老化を防ぐというのは美肌効果のような見た目の若さはもちろんのこと、細胞や血管の老化も防ぐため「病気にかかりにくくなる」=「長寿になる」と期待されています。
中国の伝統医学の古書『本草綱目』には「ゴジベリーを長寿の妙薬」と記していますが、3,000年以上前から抗酸化成分が多い食べ物とわかっていたのですね。
眼精疲労や視力向上、眼病予防効果
ゴジベリーは別名「食べる目薬」と呼ばれるほど目に効果的な食べ物です。ゴジベリーの豊富なβカロチンは体内で一部ビタミンAに変わります。
ビタミンAは「目のビタミン」とも呼ばれていますが、これは目の網膜にある「ロドプシン」という物質の主成分だからです。このロドプシンを活性化させると眼精疲労や視力の回復も期待できます。
さらにカロテノイドの一種であり強い抗酸化力を持つ「ルテイン」と「ゼアキサンチン」はともに目の黄斑部や水晶体に存在していて
- 黄斑変性症に対する予防・改善
- 視力低下の改善
紫外線やスマホなどのブルーライトなどで発生する活性酸素による酸化を防ぐ - 白内障や緑内障の予防
といった効果が期待されています。
※ルテインは別名「天然のサングラス」と呼ばれるほど目に対するさまざまな効果がある成分です。
美白・美肌効果
ゴジベリーの美白効果は資生堂が世界で初めて発見し注目を集めました。
資生堂は、和漢生薬として有名な「枸杞(クコ)の実」のエキスを経口摂取すると、紫外線を浴びて
①肌が赤く なる紅斑や黒くなる黒化を抑制する
②黒化した肌の回復を早めるという新たな作用メカニズムの美白効果 があることを
世界で初めて発見しました。この発見により、「枸杞(クコ)の実」を経口摂取すると、
お客さまが望んでいるシミのできにくい肌体質づくり が実現でき、
からだの内側から美白ケアを行うことができる可能性が大きく示唆されました。
と紹介し、資生堂が開発した美白効果のサプリメントが「ピュアホワイト」です。
【資生堂】 【ピュアホワイト ピュアホワイト 240粒<タブレット>】
ゴジベリーの美肌成分
- ビタミンC:抗酸化成分、タンパク質からコラーゲン合成、メラニン色素の合成
- ゼアキサンチン:抗酸化成分
- ルテイン:抗酸化成分
- ルチン:抗酸化成分、ビタミンCの作用を強化、コラーゲン合成の促進作用
- ベタイン:アミノ酸、吸湿性と保湿性が高い
など多くの美肌成分が含まれているので資生堂がゴジベリーに目を付けたのは納得ですね。
PMS(月経前症候群)や更年期障害の予防・改善
β-シトステロールは女性ホルモンに似た作用を持つことから女性のPMS(月経前症候群)や更年期症状の予防や改善が期待されています。また、他研究段階ではありますが
- 男性の薄毛予防
- 前立腺肥大の予防改善
など男性にもうれしい効果の報告もあります。
動脈硬化や生活習慣病の予防
- β-シトステロール:コレステロールの吸収を妨げる
- ビタミンC:血圧を正常に保つ、血中の悪玉コレステロールを減らす
- ルチン:毛細血管の弾力性を保ち血流を良好に促す
これらの成分が血圧や血糖値を降下させ、血栓を防いで血流をスムーズにします。このような働きが動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を予防する働きが期待されています。
胃の健康や肝機能を高める
ベタインには胃液の酸度を調節する働きがあり胃の健康効果が期待されています。
また、肝臓への脂肪の蓄積を防いだり、脂肪肝の予防や肝機能の向上といった働きにより、脂肪肝から肝硬変や肝炎、肝ガンへの進行を抑制する効果が期待されている成分です。
冷えや肩こり、腰痛の改善
ルチンやヘスペリジンには血管を強化し血流をスムーズにする働きがあり、血行不良から引き起こされる冷え性や肩こり、腰痛の改善が期待されています。
以上紹介したゴジベリーの効果以外にも
- 滋養強壮
- 便秘解消(腸内環境の改善)
- 足腰の強化
- 骨の強化(ミネラルが豊富)
などが期待されています。
このようにゴジベリーは
- お年寄り:老化防止や病気の予防
- 若い女性:美肌効果や貧血の予防
- 40代以上の女性:更年期障害の予防
- 40代以上の男性:滋養強壮
- 男性:若ハゲや前立腺肥大の予防
- 子ども:発育や成長(アミノ酸の効果)
と老若男女にうれしい効果が期待できるので家族みんなで食べてほしい食べ物です。
ゴジベリーの1日のおすすめの摂取量は?
多くの効果が期待できるゴジベリーですが、どれくらい食べると効果が期待できるのでしょうか?
1日の目安は大さじ1杯(約7g)です。ゴジベリーの粒は大小あるので粒の数ではなく、大さじ1杯程度にしてください。
ですが、胃腸が弱い人や女性でおりものが多い人はお腹をこわす(下痢になる)場合があるという報告があります。初めて食べる時はその半分程度にして問題ないようであれば徐々に増やすようにしてください。
食べる際の注意点
健康や美容に効果があると言われているアミノ酸の一種のベタインは月経促進や人工中絶の作用をする際の成分としても使用されています。
少量であれば問題ないと言われていますが、妊婦さんや授乳中の方は万が一のことを考えて控えることをおすすめします。(継続的に食べるようでしたら、お医者さんに相談してからにしましょう)
また高血圧の方で血圧降下作用のある薬との併用摂取は低血圧傾向の可能性があります。ゴジベリーを食べる場合は1日の推奨摂取量の大さじ1杯よりも少ない量にしましょう。
ゴジベリーの食べ方
ゴジベリーは一乾燥させてドライフルーツとして販売していているので、そのまま生で食べられます。ただ、ゴジベリーの効能を得るもっとも一般的な食べ方は煎(せん)じて飲む方法です。
300~500mlの水にゴジベリー大さじ1を入れて沸騰させ、弱火で20分じます。
面倒というのであれば紅茶のティーバッグとゴジベリー(ティースプーン1杯)をカップ入れてお湯を注ぎ2,3分蒸らすだけで大丈夫です。
紅茶自体の味わいはほとんど変わりませんがカップに残ったゴジベリーには紅茶の風味があります。モデルのミランダ・カーはスムージーに入れて飲んだり、アメリカではアサイーボウルに入れて飲む人も多いようです。
基本どんな食べ物にも合うのでサラダやヨーグルトに入れたりするなど、お好みの食べ方を見つけてくださいね。
良質なゴジベリーの選び方
良質なゴジベリーは赤くて粒が大きく乾燥状態でもぷっくりふくれています。そして国産はほとんど市場には出回っていないので本場の中国のものが多いです。
「中国の食べ物は心配」という方も多いかもしれませんが中国の中でも名産地である寧夏(ねいか)のゴジベリーは粒が大きくて質も良いです。
ナッツ専門店の ゴジベリー・クコの実 《500g》 粒揃いの特選グレード 世界最高クラスの品質と名高い寧夏産指定農園から30年前よりクコの実を取り扱う専門店。
まとめ
杏仁豆腐の上に乗っているクコの実がいつの間にか海外ではスーパフードのゴジベリーとして流行して逆輸入という形で日本にも紹介されました。
多くの効果が期待されていますので、健康や美容、滋養強壮のために毎日少しずつゴジベリーを食べてみてはいかがでしょうか?
