シュンドラパンドラでは調理に使用するオイルはココナッツオイルやごま油などが多いですが、なぜサラダ油を使用しないかお分かりですか?昔、サラダ油は「植物性の油」として「身体に良い!」というイメージがあり、動物性のバターが「悪い油」と言われていました。

ですが今の評価は全くの逆になっています。では、なぜサラダ油が身体に悪いと言われるのでしょうか?

サラダ油とは?その製造方法について

サラダ油

日本で一番売れているの食用油はサラダ油で、日本独自の名称です。大正時代に日清製油(現・日清オイリオ)が「サラダに使用できるように」と、透明度が高く、冷やしても白濁しにくい油として販売されました。

サラダ油大豆コーン菜種、紅花、綿実など2種類以上の原料を調合させて作る油で、現在は大豆油とキャノーラ油(菜種)の混合のサラダ油が主流です。

サラダ油の製造方法

サラダ油の製造方法は大豆などの原料を溶剤を使用して溶かした後に高温で溶剤を気化させる「溶媒抽出法」が一般的です。この製法により原料を効率良く抽出することが可能になりますが、使用する溶剤が問題と指摘する人もいます。

サラダ油の原料で多いのは大豆ですが、ただ大豆を搾(しぼ)った(圧搾した)だけでは原料の20%程度しか油になりません。

そこで大豆を搾った後の残りかす(油粕)に溶剤を使用することによって油脂を抽出することが可能になります。これにより原料を捨てることなくほぼ100%油になります。

この製造法に何か問題はあるのでしょうか?

サラダ油の「化学溶剤」の使用

溶剤の使用により原料を無駄なく利用できる点では効率が良いですが、主に使用される化学溶剤「ヘキサン」「ヘプタン」はその毒性が指摘されていて、実際に体の中に入るとさまざまな悪影響を及ぼします。

ただこれらの溶剤は高温に弱いため、メーカーに問い合わせた場合、「ヘキサンは69℃が沸点でそれ以上の高温で加熱すれば蒸発するので残留はなくなり安心です。」という回答が来ると思います。

また食品衛生法でも「ヘキサンがサラダ油の完成時に残らないように義務つけられている」ため問題ないという専門家も多いです。ですが、「完全に溶剤が取り除けずに一部残る場合もあるのではないか?」という意見もあります。

これに関しては出荷時に溶剤が完全に取り除かれているのかメーカーによっても違いがあるかもしれませんが、本当に100%完全に取り除かれているのでしょうか。

サラダ油のトランス脂肪酸の危険性

マーガリン
マーガリン

仮にヘキサンなどの溶剤が完全に取り除かれたとしても高温で処理する製造方法はトランス脂肪酸が発生します。

海外のトランス脂肪酸の対策・規制

WHO(世界保健機関)は2023年までに世界中のすべての食べ物から人工のトランス脂肪酸を取り除くことを目標としています。これにより海外ではトランス脂肪酸への規制が義務付けられている国が多いです。

トランス脂肪酸使用禁止:米のニューヨーク州やカリフォルニア州、カナダ、台湾、タイなど

トランス脂肪酸濃度の上限値を設定したうえ表示を義務付け:EU加盟国、シンガポールなど

食品中のトランス脂肪酸濃度の表示の義務付け:韓国、中国、香港など

ニューヨーク州カルフォルニア州では飲食店の揚げ物や調理での使用も禁止されています。2019年1月にはタイ政府がマーガリンやショートニング、それらを使った食品の製造、販売、輸入も禁止しています。

このように海外ではトランス脂肪酸が含まれている食品に対して規制や表示義務が必要な国が多いですが、日本はどうでしょうか?

日本ではトランス脂肪酸の規制はある?

トランス脂肪酸の使用は、日本の政府はそれほど重要視していません。「日本人はトランス脂肪酸の摂取量が少ないからそれほど問題ない」と静観しています。そのため禁止はもちろんのこと、使用制限表示義務もありません。

先程も紹介しましたが、WHOは「トランス脂肪酸」を2023年までに世界の食品から一掃することを目指しています。この内容はCNNなどでも紹介されています。参照:食品のトランス脂肪酸、23年までの根絶を呼びかけ WHO

一方で日本の農林水産省のホームページでは同じ内容で「WHOは2023年までに、加工食品を製造するときにできるトランス脂肪酸を減らすよう呼びかけています。

  • WHOは全世界に同じ内容でトランス脂肪酸の根絶
  • 日本はトランス脂肪酸の削減

と日本では内容を変えて呼びかけているのです。

トランス脂肪酸目標摂取量!日本人の摂取量は本当に少ない?

現在WHOではトランス脂肪の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満とするよう勧告しています。

1%未満の数量ですが、日本人の場合一日に消費するエネルギーは平均で約1,900 kcalなので、平均的な活動量の場合は一人一日当たり約2グラム未満に相当します。

では現在の日本人が一日当たりどれくらいのトランス脂肪酸を摂取しているのでしょうか?日本の食品安全委員会は平均1.56gと発表しています。この数字が本当ならば良いのですが、あまり信用できません。

実はフライドポテトMサイズ(135g程度)には4.55gトランス脂肪酸が含まれています。これはポテトトランス脂肪酸が含まれているのではなく、トランス脂肪酸が多く含まれているサラダ油で揚げるため、ポテトが油を吸い取るためです。

もちろんフライドポテトだけでなく同じような揚げ物の

  • とんかつ
  • メンチカツ
  • コロッケ
  • 唐揚げ
  • 天ぷらなどの揚げ物

などサラダ油で揚げる食べ物にはトランス脂肪酸が豊富に含まれています。もちろん炒め物にも使用しますし、多くの加工品にも含まれているので、現在の日本人が1日平均1.56gしかトランス脂肪酸を摂取しているとは思えません。

トランス脂肪酸の危険性

トランス脂肪酸の過剰摂取は

  • 動脈硬化や心疾患のリスクを高める
  • ぜんそくやアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー反応を引き起こす
  • 認知症やガンになる可能性を高める
  • 妊娠中や授乳期に摂り過ぎると赤ちゃんの成長が遅れる
  • 不妊になりやすくなる

など、さまざまな悪影響が指摘されています。

このような懸念事項があるためWHOは警鐘を鳴らしているのですが、日本の政府は大手の企業を守るためか静観している状況です。

おそらくトランス脂肪酸に関して規制をかけるとメーカー側にかなりのコストの負担を強いられてしまうので、厚生労働省や農林水産省は何も動かないのではないでしょうか。

規制ができないならば、せめて商品にトランス脂肪酸の含有量を義務つければ消費者が選択できるのですが、当分そのようなことはないでしょう。

ただ一部では商品にトランス脂肪酸の含有量を載せている企業もあります。このような企業が増えることを望みます。

サラダ油の高温加熱処理による影響!危険物質が発生?

製造過程で何度も高温処理されると、トランス脂肪酸の問題だけではありません。

金沢大学の山嶋哲盛先生が脳や細胞を破壊する有害物質であるヒドロキシノネナールが発生してアルツハイマー病の原因になっていると国際ジャーナルや世界の学会で発表しています。

さらに高温加熱処理での製造はサラダ油の原料の栄養成分は全く残りません。大豆にはたんぱく質やビタミン、ミネラル、そして大豆イソフラボンなど多くの栄養素が含まれていますが、高温加熱処理により脂肪酸以外のほとんどの栄養成分が失われます。

サラダ油の原料は遺伝子組み換え作物

遺伝子組み換え

納豆など大豆を加工した食品のパッケージには「遺伝子組み換えではない」という表記を見かけたことがあると思いますが、サラダ油でこの表記を見たことはありますか?

サラダ油の主要原料であるトウモロコシ(コーン油)や大豆(大豆油)、菜種(キャノーラ油)は輸入許可されている遺伝子組み換え作物の8種類に含まれているため、遺伝子組み換え大豆を使用している場合は表示義務がありますが、サラダ油では見たことがないはずです。

そのため「サラダ油に使われる大豆などは遺伝子組み換えは使用されていないので安心」と思うかもしれません。ですが実は安心ではありません。

サラダ油はほぼ100%遺伝子組み換え作物を使用しているはずです。実はサラダ油は遺伝子組み換え表示の対象外なのです。

サラダ油に遺伝子組み換え作物の表示義務がない理由

実は「組み換えDNAやそれによって生成したたんぱく質が含まれない食品には表示義務がありません。」ただ、これではよくわかりにくいですね。

わかりやすく説明すると、遺伝子とは生物の遺伝情報を伝えるDNAが集まったもので、このDNAにはたんぱく質を作る働きがあります。

豆腐納豆などは加工した後もたんぱく質が含まれています。そのたんぱく質を調べると原料が遺伝子組換えかどうか判断ができるので表示義務があります。

一方サラダ油は高温処理での製造過程でたんぱく質が分解されて無くなってしまうので、遺伝子組み換えかどうか判断できないために表示義務がないのです。

つまりサラダ油は製造過程で脂肪酸以外の栄養成分が無くなるため、遺伝子組み換え作物かどうか判断する際に必要なたんぱく質も無くなってしまうのです。

「調べることができない」=「遺伝子組み換えかどうかわからない」=「表示義務がない」ということです。

遺伝子組み換え食品に関しての危険性は賛否がありますが、表示義務があるということは危険性が疑われているからです。それが「サラダ油は表示義務がない」というのは一般の人にはわかりませんね。

オメガ6系脂肪酸(リノール酸)の過剰摂取の危険性

サラダ油はオメガ6オイルと言われていて、どの原料にも脂肪酸であるリノール酸が多く含まれています。リノール酸は体内で生成できない必須脂肪酸で食品から摂る必要があり、リノール酸が適量の摂取であれば体に良い脂肪酸です。

ですが日本人の多くはこのリノール酸を過剰摂取しています。それは家庭で使用するサラダ油だけではなく、

  • 多くの加工食品(お菓子、冷凍食品、カップ麺、ドレッシングなど)
  • コンビニやスーパーの惣菜(から揚げ、ポテトなど)
  • ファーストフードやファミレス、ラーメン屋などで提供されるメニュー

といった多くの食べ物にサラダ油が含まれていて(または植物油脂と名前を変えて)リノール酸を過剰摂取している傾向にあります。

適量では健康に良いリノール酸も過剰摂取により生活習慣病やアレルギーを引き起こす危険性があります。

普段知らないうちに大量のオメガ6系脂肪酸(リノール酸)を摂取している可能性が高いだけでなく、家でサラダ油を使用したらリノール酸の過剰摂取だけでなくトランス脂肪酸の過剰摂取にもなります。

 

食用油の正しい選び方

エキストラバージンオリーブオイル

テレビ番組などで「えごま油が良い」とか「オリーブオイルが良い」とか聞いたら、すぐにそれらの商品を買えば良いというわけではありません。

最近の健康オイルのブームに便乗して、かなり質の悪い商品も出回っています。本来の食用油は溶剤を使用せず低温で時間をかけてゆっくりと原材料を搾(しぼ)って作られます。

この製法は「低温圧搾製法」または「コールドプレス製法」と呼ばれています。ですが、原料から油を効率よく抽出できず製造に時間がかかるのと大量生産ができないため、どうしても価格が高くなります。

ですがサラダ油と違い、脂肪酸以外の栄養成分も残っていますしトランス脂肪酸の心配がありません。

低温圧搾(コールドプレス)製法の食用油は必ずパッケージのどこかに「低温圧搾」「コールドプレス(英語表記はcold press)」と表記されています。必ず確認してから購入してください。

例えばテレビでアマニ油が健康に良いと言ってるからなんでも良いわけではなく、低温圧搾製法と書かれていないアマニ油も販売されています。

そのような商品はおそらくある程度高温で処理して大量生産をしている可能性のある油です。食用油の名前だけで選んではいけません。必ず低温圧搾(コールドプレス)が記載されているか確認してから購入しましょう。

まとめ

サラダ油のメリットは

  1. 安い
  2. 保存期間が長い

だけです。

デメリット〔危険性)は

  1. 毒性がある化学溶剤の残留の可能性がある
  2. トランス脂肪酸
  3. 高温加熱による有害物質の発生
  4. 栄養成分が残っていない(脂肪酸のみ)
  5. 原材料が遺伝子組み換え作物の可能性が高い
  6. リノール酸の過剰摂取の可能性

と挙げたらキリがありません。ただし、サラダ油の摂取は外食や加工食品を食べると、どうしても避けることができないので、全く摂らないのではなく、せめて自宅の食用油だけでも変えるようにしましょう。