老化の原因として、良く言われるのは「酸化」ですね。「酸化を防ぐために抗酸化成分を取りましょう!」などと対策を紹介しているものもよく見かけます。

ですが、最近は「酸化」だけでなく「糖化」も老化の原因と言われています。少しずつテレビ番組などでも取り上げられるようになりましたが、まだまだ詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか?

老化は肌に悪いだけでなく、細胞や血管なども老けていくので病気につながります。この機会にぜひ「糖化」を知って老化を防ぎましょう。

糖化とは?酸化との違いについて

老化」といえば、アンチエイジング医学で注目されてきたのは「酸化」でした。酸化とは簡単にいうと「サビ」のことを言います。体内にある活性酸素がある一定以上増えると細胞などが傷つけられ、老化が加速すると言われてきました。

近年、その酸化とほぼ同時に起きて、酸化よりもはるかに悪い影響を及ぼすこと言われているのが「糖化」です。糖化を簡単にいうと「コゲ」のことで、「タンパク質が糖質と結びついて劣化すること」をいいます。「糖化」の簡単な例はホットケーキです。

ホットケーキ 糖化

パンケーキ(ホットケーキ)を作るときに、こんがりと焼けて褐色になっているのが「糖化」です。パンケーキに含まれる砂糖が、牛乳などのたんぱく質と結びつき変性しているのです。この褐色の部分がおいしいのですが、身体には良くありません。

つまり、

  • 酸化=体がさびる
  • 糖化=体がこげる

      という違いがあります。この体のコゲAGEと呼ばれます。

      AGEとは?

      糖化によってできる物質「AGE」は「Advanced  Glycation  End-Products」という英語名の頭文字をとったもので、日本語で「終末糖化産物」と翻訳されています。

      少し堅苦しい訳し方ではありますが、「終末糖化産物(AGE)」とは過剰に摂取したブドウ糖などの糖質タンパク質と結合して生まれる物質の最終反応物です。

      終末という言葉通り、一度生まれたAGEが元のタンパク質ブドウ糖に戻ることはありません。特に熱が加わると大量に発生する「AGE」活性酸素をはるかにしのぐ、「老化の元凶」と言われています。

      AGEによる悪影響

      ①肌の老化

      肌の老化 糖化

      老化の原因であるAGEがたまりやすく老化しやすい箇所があります。それは肌の土台や関節軟骨を作る「コラーゲン繊維」です。

      皮膚表皮真皮皮下組織の3層でできています。その中で肌の老化に関わるのが「表皮と真皮」です。表皮のすぐ下にある真皮約7割を占めているのがコラーゲン繊維です。肌の弾力を保つと同時にAGEの影響を受けやすい場所です。

      これまではシミやシワ、たるみ、くすみなど、肌の老化紫外線などの外的要因が一番の原因と考えられてきました。

      ですが、最近では内的な要因である糖化の進行が一番大きな原因であることがわかってきました。つまり、つまりコゲ=AGE)たくさん溜まることにより、シミなどになってしまうのです。

      老化対策高価なコスメを使用したりや美白サプリメントを飲んだりなどしても糖化の進行を止めない限りは肌の老化は避けられません。

      高齢者に多く見られるシミである「老人性色素班」も糖化の進行(=コゲの集まり)が原因です。シミには大量のAGEが含まれていることがわかっています。

      ②骨や血管がもろくなる

      骨粗しょう症

      コラーゲンは骨に多く含まれています。コラーゲン繊維AGEがつくとコラーゲン同士の正常な結びつきが失われ、骨の土台がもろく硬くなり、変形につながってしまいます。これにより「骨粗しょう症」や「変形性関節症」などの病気になると言われています。

      そして血管と同じようにコラーゲン繊維というタンパク質でできています。タンパク質AGEがたまることで血管弾力ハリを失って、もろくなったり、硬くなります。

      血管が細くなり、硬くなったり詰まったりすると動脈硬化にかかりやすくなります。さらに動脈硬化が進行することで命に関わる病気にかかりやすくなります。

      ③認知症や目の病気

      にコゲ(AGE)が多く溜まる(糖化が進む)と認知症目に溜まれば白内障などの目の病気にもかかりやすくなり、これらの病気もAGEが深く関わっていると言われています。

      このように肌の老化だけでなく、体内のさまざまな部分の老化により、多くの病気に関わっているのが糖化です。実際に

      • アルツハイマー型認知症
      • 糖尿病
      • 心臓病
      • 歯周病
      • 腎臓病
      • がん
      • 更年期障害
      • 不妊症

      などの病気や症状も糖化が原因であるという報告もあります。

      AGEが多く含まれる食べ物や料理は?

      AGEが多いステーキ

      タンパク質が糖質と結びついて劣化すること」が糖化で、それにより発生するのがAGEです。先程はパンケーキを例に挙げましたが、それ以外でAGEの多い食べ物の身近な例としては

      • 唐揚げ、焼き鳥、ステーキ、とんかつなどの肉料理
      • ベーコン、ハム、ソーセージなどの加工肉
      • トースト
      • たこ焼き、お好み焼き
      • 焼おにぎり
      • 焼菓子

      などたくさんあります。これらの共通点は「おいしそうな焼き色がついている」ことです。そして、こんがりとした焼き色がつくときに生まれるのが「AGE」です。

      気をつけたいメイラード反応

      このおいしそうな焼き色のことをメイラード反応」と呼びます。タンパク質と糖が共存するものを加熱することで引き起こされます。

      メイラード反応

      加熱した状態で、糖とアミノ酸(タンパク質)が反応して茶色く色づき、さまざまな香り成分を生む反応です。

      メイラード反応が最も顕著に進むのは155℃の温度です。 ガンガン熱したフライパンの上では急速にメイラード反応が進み、褐色になるので褐色反応とも呼ばれます。

      こんがりとキツネ色の焼き色がついた部分は香も良く、おいしく見えますが摂りすぎはAGEをため込むことになり、糖化を促進します。ですが、プリンのカラメルソースのようなブドウ糖だけを加熱したものはAGEは発生しません。

      AGEが特に多い食べ物

      AGEの量は「KU」という単位で表します。1日の上限の目標としたい数値は「7,000KU」です。では100gあたり10,000KUを超えるものを紹介します。

      食べ物 AGE値(KU)
      ベーコン 91577
      バター 23340
      鶏肉(丸焼き) 18520
      フランクフルト 11270
      牛肉(ステーキ) 10058

      バターは1度に100gも食べる人はいないので量に気をつければ問題ありません。やはりお肉類はかなり気をつける必要があります。特にベーコンの数値は高いです。

      ベーコンも一度に100gは食べないかもしれませんが、10g食べただけで1日の。特にカルボナーラベーコンパスタと炒めるので、AGE値は23,000を超えます。

      また牛肉のステーキ100gどころか、200300gと食べる人も多いので注意が必要です。

      アクリルアミドの多い食べ物に注意!

      AGEだけでなく、種類も気をつけないといけません。実はAGEの種類は100以上ありますが、その中でも超悪玉のAGEが「アクリルアミドです。この物質はアミノ酸の一種であるアスパラギンにおきるメーラード反応によって生じます。

      アクリルアミドの危険性農林水産省でも警告しています。神経に対する毒性やヒトに対して発がん性の可能性がある物質と紹介しています。

      アクリルアミドの健康影響(農林水産省)

      ではどのような食べ物にアクリルアミドが多く含まれているのでしょうか?実は「糖質を多く含む食品」であるジャガイモトウモロコシなどを高温で加熱する際に生まれることがわかっています。

      なかでもフライドポテトポテトチップスは特に多いので注意しましょう。フライドポテトアクリルアミドだけではなく、トランス脂肪酸もかなり多く含まれています。

      また、食べ物だけでなく、

      • 睡眠不足
      • ストレス
      • タバコ
      • 紫外線

      などもAGEが増える原因と言われています。ただ、美味しい物も食べられず、仕事が忙しくてストレスが溜まり、睡眠不足で、ついついタバコの本数も増えてしまうという人も多いと思います。

      そのような人向けに老化を防ぐためのAGE対策を紹介します。

      老化を防ぐ調理法!AGEを減らすには?

      カボチャの煮物
      カボチャの煮物

      老化を防ぐためには食材と同様に大切なことがあります。それは調理方法です。

      同じ食材でも調理の仕方でAGEの量が大きく変わります。

      一番危険なのが高温調理です。

      • 揚げる場合の温度は170℃~200℃
      • オーブンや窯で焼く場合は300℃

      このような温度で調理をしてしまうとAGEの量は急激に増えます。食べ物のAGEを増やさないためには、できるだけ生に近い状態で食べるのが大切です。

      加熱しないと食べられない場合は、「低い温度でできるだけ短い時間で調理する」が基本です。どのような食べ物でも加熱される温度や時間が高く、長くなるほど、AGEの量は増えてることがわかっているからです。

      では実際に調理法によってAGEの量に差が出ます。

      • は揚げると生の2.5倍以上
      • むね肉は煮ると生の1.5倍
      • 焼くと約7.5倍
      • 揚げると約10倍

      といったように加熱の仕方でAGEが増えてしまいます。この中では「煮る」が一番AGEの量が少ないです。

      肉や魚のおすすめの調理法

      調理法は「焼く」、「揚げる」よりも「ゆでる」、「蒸す」、「煮る」がおすすめです。水を使う調理200℃300℃ということがなく、どんなに高くても100℃までで済むからです。

      魚介類お刺身がおすすめですし、牛肉焼肉バーベキューよりも、しゃぶしゃぶがおすすめです。ステーキを食べる場合は調理時間が短いレアがおすすめです。

      豚肉トンカツよりもゆで豚鶏肉唐揚げ焼き鳥よりも蒸し鶏がおすすめです。

      AGEが多い調味料での調理の注意点

      ぶりの照り焼き
      ぶりの照り焼き

      調味料にもAGEが多く含まれているものがあります。大豆のタンパク質糖化が進んでいる「しょうゆ」や「みそ」、「シーザードレッシング」はAGEが多いです。ただ普通に使う分には少量なので問題はありません。

      気をつけたいのが調味料をつけて焼く調理法です。しょうゆにつけて焼いたマグロ何もつけずに焼いたマグロの6倍近い量のAGEがあります。また砂糖を加える「照り焼き」のような調理法も大量のAGEが発生します。

      調理の基本ルール

      AGEは素材よりも調理の仕方で大きく変わります。生⇒蒸す・ゆでる⇒煮る⇒炒める⇒焼く⇒揚げる。この順番でAGEは増えていきます。

      避けたい調理法

      1. 電子レンジでの料理。特に10分以上の加熱や電子レンジで調理した物の再加熱
      2. 揚げ物を炒める料理(例、酢豚などの中華料理)
      3. 二度揚げ(フレンチフライ、唐揚げなど)
      4. 肉、魚、炭水化物を焦げさせる
      5. 長時間高温で加熱したレトルト食品の多用
      6. オーブン、圧力鍋も高温調理になるため注意が必要

      全部避けるのは難しいですが、なるべく量を減らすように心がけましょう。

      NHKの番組「あさイチ」で「野菜炒めをするときに油ではなく、水で炒めるとAGEが5分の1に減りました。」と紹介していました。

      まとめ

      今回は糖化と酸化の違いやAGEが多い食べ物などを紹介しましたが、AGEが多い食べ物は美味しいものが多く、簡単に減らすことができないことが多いですね。

      調理法である程度AGEを減らすことができますが、次回はAGEを抑制する食べ物や調味料などを紹介します。AGEが多い食べ物を食べる時に一緒に摂ることでAGEの量を減らすことが可能です。

      シュンドラパンドラでも糖化ができるだけ少ない食べ物を意識したメニューを用意しています。ぜひ一度ご来店されてお召し上がりください。美容や健康のためにも酸化だけでく今後は糖化を意識した食生活を送るようにしましょう。